一級建築士試験より別の意味で難しい?【建築基準適合判定資格者】体験談

建築職公務員

建築基準適合判定資格者検定は、一級建築士試験より簡単だと思われがちですが、
実際に受けてみると「別の意味でかなりキツい資格」だと感じました。

難易度そのものよりも、勉強のつまらなさ・孤独感・モチベーション維持の難しさが、この資格の最大の壁です。

この記事では、20代で建築基準適合判定資格者検定に合格した体験をもとに、
一級建築士試験との違いや、受験前に知っておきたかった現実を正直に書いていきます。


建築基準適合判定資格者検定とは

建築基準適合判定資格者検定(以下、建築適判)は、建築主事として確認・審査業務を行うために必要となる資格です。
主に行政職員が対象となる資格で、受験者数自体が少なく、ネット上にも体験談や勉強法の情報がほとんど出ていないのが特徴です。

私の職場でも、建築適判を保有している職員は全体の1割程度。
しかも最年少は40代で、20代で取得している人は一人もいませんでした。

このように、
「名前は聞くけど、実態がよく分からない」
「どれくらい大変なのかイメージしづらい」
という資格であることが、建築適判の最大の特徴だと思います。


受験を決めた理由

私が建築適判を受験しようと思った理由は、とてもシンプルです。
職場の同年代で、誰も持っていなかったから。

当時の私は20代後半。
周囲を見渡すと、建築適判を持っているのはベテラン職員ばかりで、若手の取得者は皆無でした。

そこでふと、

「20代で持っていたら、一目置かれる存在になれるんじゃないか?」

と考え、受験を決意します。
今思えば、かなり不純な動機ですよね。

ただ、結果として建築適判には初受験で合格することができました。
一目置かれたかどうかはさておき、
・建築基準法への理解が一段深まったこと
・「難しい資格をやり切った」という自信がついたこと
この2つは、間違いなく自分の中に残りました。

動機はどうであれ、挑戦したこと自体は正解だったと、今でも感じています。


一級建築士試験との違い

建築適判について語るとき、よく聞かれるのが
「一級建築士試験と比べて、どっちが難しいの?」
という質問です。

結論から言うと、試験の難易度そのものは、一級建築士試験の方が明らかに高いと思います。

ただし、
建築適判は「別の意味でキツい資格」です。

一級建築士試験は、確かに範囲も広く難関ですが、
・設計がまとまったときの達成感
・製図を仕上げていく過程の面白さ
といった、前向きな感情が生まれる瞬間があります。

一方で、建築適判はそうではありません。

特に考査Bの記述試験対策は、
ひたすら条文を読み、整理し、書く作業の繰り返しです。

正直に言うと、

「とてつもなくつまらない」

これが率直な感想でした。

難しいというより、
・達成感が見えにくい
・勉強していて楽しくならない
・誰かと共有もしづらい

こうした要素が重なり、精神的に削られていく感覚があります。

そのため、建築適判で一番つらいのは、
知識量や理解力ではなく、モチベーションを維持し続けることだと感じました。

ここが、一級建築士試験とは決定的に違う点です。

最大の壁はモチベーション維持


繰り返しとなりますが、
建築適判の勉強で、一番つらかったのは試験内容そのものではありません。
モチベーションを維持し続けることでした。

平日は業務開始の1時間前に職場へ行き、机に向かう。
業務が終わった後は、帰宅途中のカフェで勉強する。
そんな生活を、淡々と続けていました。

ただ、建築適判の勉強は、
「ここまで頑張った」という達成感が非常に得にくいのが特徴です。

これまで、大学受験や一級建築士試験の際には、必ず予備校に通っていました。
周りに同じ目標を持つ人がいて、進捗の目安もあり、自然と気持ちが保たれていたのだと思います。

一方で、建築適判は予備校がほぼ存在せず、完全に独学
誰にも進捗を確認されることなく、
「この勉強で本当に合格に近づいているのか?」
という不安を抱えながら、手探りで続ける日々でした。

さらに大きかったのが、考査Bの記述試験対策です。

条文を読み、整理し、文章として書き出す。
その作業を、何度も何度も繰り返す。

正直なところ、

「これ、何のためにやっているんだろう……」

と感じる瞬間が何度もありました。

何度か「もうやめようかな」と思いましたが、
そのたびに自分に言い聞かせていたのは、
「今年落ちたら、もう二度と受けない」という覚悟でした。

最初で最後の受験にすると決めたことで、
中途半端に逃げ道を残さず、何とか机に向かい続けることができたのだと思います。

なお、建築基準適合判定資格者検定の具体的な勉強法や、私が実際に意識していたことについては、別の記事で詳しくまとめています。
勉強の進め方に不安がある方は、こちらも参考にしてみてください。

▶︎ 建築基準適合判定資格者検定の勉強法はこちら

勉強を続けるための工夫

モチベーションが上がらない中で、私が意識していたことはとてもシンプルです。
「楽しくやろうとしない」ことでした。

建築適判の勉強は、楽しくなる瞬間がほとんどありません。
無理に前向きになろうとすると、
「今日もやる気が出ない自分」に余計に疲れてしまいます。

そこで私は、

  • 今日はやる気がなくて当たり前
  • 面白くないのは試験の性質上、仕方ない
  • 感情は切り離して、作業として進める

と、最初から割り切るようにしました。

また、
「完璧に理解してから次に進もう」
とは考えず、とにかく一周させることを優先しました。

振り返ってみると、
建築適判の勉強は、気合よりも持久力が問われる試験だったと思います。


向いている人・向いていない人

ここまでの話を踏まえると、建築適判は誰にでもおすすめできる資格ではありません。
向き・不向きが、はっきり分かれる試験だと感じます。

建築適判が向いている人

  • 地味な作業を淡々と続けられる人
  • 周囲に評価されなくても、コツコツ努力できる人
  • 「楽しいかどうか」より「必要かどうか」で判断できる人
  • 独学でも、自分でペースを作れる人

こういったタイプの人は、建築適判の勉強に比較的適応しやすいと思います。


向いていない人

一方で、次のような人はかなりつらいかもしれません。

  • 勉強に達成感や面白さを求めてしまう人
  • 周りと進捗を共有しながら頑張りたい人
  • 短期間で一気に追い込むタイプの人
  • モチベーションの上下が勉強量に直結しやすい人

これは能力の問題ではなく、試験との相性の話です。

一級建築士試験が合っていた人ほど、
建築適判の勉強を「しんどい」と感じるケースも多いのではないかと思います。

試験当日のリアル【法令集チェックと会場の空気】

試験当日、会場に到着してまず行われるのが法令集のチェックです。
これが想像以上に緊張しました。

受験者が列に並び、順番にスタッフが法令集を確認していきます。
チェック自体は3分ほどですが、その間ずっと、

「もしここで法令集を没収されたら……」

という不安が頭から離れませんでした。

注意事項に沿って法令集を作成していたので、
理屈では問題ないと分かっているのですが、
万が一の手違いを考えてしまい、かなりドキドキします。
(もちろん、告示編もしっかり確認されます。)

試験会場は、天井の高い広い講堂のような空間でした。
独特の静けさと緊張感があり、なかなか落ち着きません。

周囲を見渡すと、受験者の年齢層は30代後半〜50代が中心。
20代の受験者は、ほとんど見かけませんでした。

試験が始まってから、特に印象に残っていることが二つあります。

一つ目は、隣の受験者の貧乏ゆすりが非常に激しかったこと
どうしても視界に入り、集中しづらく、正直かなり気が散りました。

ただ、そのときふと、

「ここまでの努力を、環境のせいで台無しにはできない」

と思い直し、意識的に目の前の答案だけに集中するよう切り替えました。

二つ目は、周囲の受験者がとても静かに考査Bを解いていたことです。

私は、少しでもモタついたら時間が足りなくなると考え、
開始と同時にかなりのスピードで解き進めていました。
そのため、筆記音やページをめくる音も大きくなっていたと思います。

一方で、周囲は驚くほど落ち着いていて、

「本当に、みんなこのペースで解き切れるのか……?」

と、不思議に感じていました。

結果的に、時間はギリギリ。
周囲の雰囲気に流されず、自分のペースを貫いた判断は正解だったと思います。

受験会場の席順や周囲の環境は、完全に運です。
だからこそ、
どんな状況でも気持ちを乱されず、目の前の試験に集中すること
これが、試験当日に一番大切なことだと感じました。


それでも受けてよかった理由

建築基準適合判定資格者検定は、
決して華やかな資格ではありません。

勉強は地味で、達成感も得にくく、
途中で「何のためにやっているのか分からなくなる」瞬間もあります。

正直に言って、
楽しい試験だったかと聞かれれば、答えはNOです。

それでも、合格して今思うのは、
受験して本当によかったということです。

建築基準法に対する理解が深まり、
業務で条文を見る目も、考え方も変わりました。
そして何より、
「簡単ではない資格を、最後までやり切った」
という経験が、自分の中で確かな自信になっています。

建築適判は、
難易度よりも、精神的な持久力が問われる資格です。

もしこの記事を読んで、
「自分には向いていそうだ」
「覚悟を持って挑戦できそうだ」
と感じたのであれば、受験する価値は十分にあると思います。

この体験談が、
建築基準適合判定資格者検定を受験するか迷っている方にとって、
判断材料の一つになれば嬉しいです。

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