会話や文章の中で、
「言いたいことはあるのに、うまく言葉が出てこない」
「説明が長くなってしまい、結局何が言いたいのか分からなくなる」
そんな経験はありませんか。
実はその多くは、語彙が足りないのではなく、状況に合う“言い回し”を知らないだけです。
慣用句は、状況・感情・評価といった曖昧になりがちな内容を、短い言葉で的確に伝えるための表現です。
この記事では、日常会話や仕事の場面で使いやすい慣用句を、
「意味」と「使い方の例文」付きでまとめています。
「知っている」だけで終わらせず、「実際に使える」状態を目指して、読み進めてみてください。
※本記事では、慣用句シリーズの中から【た行】にあたる表現を扱っています。
▼ 慣用句を体系的に学びたい方へ
このページは、語彙力を上げたい人向けの「慣用句シリーズ」の一部です。
全体像を知りたい方は、以下のまとめページをご覧ください。
日常・仕事で使える慣用句【た行】
対岸の火事(たいがんのかじ)
意味:自分には直接関係のない出来事。
例文:今は対岸の火事でも、いずれ影響が出るかもしれない。
大器晩成(たいきばんせい)
意味:本当に大きな人物は、成功するまでに時間がかかること。
例文:今は結果が出ていなくても、大器晩成だと思って続けている。
大義名分(たいぎめいぶん)
意味:行動や主張を正当化するための表向きの理由。
例文:大義名分がなければ、周囲は納得しない。
太鼓判を押す(たいこばんをおす)
意味:責任をもって保証すること。
例文:この店の味は、私が太鼓判を押す。
大は小を兼ねる(だいはしょうをかねる)
意味:大きなものは、小さな用途もまかなえる。
例文:迷ったら大は小を兼ねるで、大きめを選んだ。
箍が緩む(たががゆるむ)
意味:気持ちの張りや自制心が弱くなる。
例文:忙しさが落ち着いて、つい箍が緩んだ。
高飛車(たかびしゃ)
意味:相手を見下したような態度。
例文:その高飛車な言い方では反発を招く。
出しに使う(だしにつかう)
意味:自分の目的のために、他人や物事を利用する。
例文:人を出しに使うやり方は好ましくない。
蛇足(だそく)
意味:余計で、かえって邪魔になること。
例文:説明を足しすぎて蛇足になった。
叩けば埃が出る(たたけばほこりがでる)
意味:調べれば悪事が出てくること。
例文:叩けば埃が出る身では強く出られない。
手綱を締める(たづなをしめる)
意味:気を引き締めて、統制を強める。
例文:ここで一度、手綱を締める必要がある。
棚に上げる(たなにあげる)
意味:自分のことは問題にせず、他人を非難する。
例文:自分の失敗は棚に上げて、人を責めるのはどうかと思う。
他力本願(たりきほんがん)
意味:自分で努力せず、他人に頼ること。
例文:他力本願では、成長は望めない。
単刀直入(たんとうちょくにゅう)
意味:前置きなしに、はっきり言うこと。
例文:単刀直入に言うと、その案には反対だ。
契りを結ぶ(ちぎりをむすぶ)
意味:固い約束をする。
例文:二人は強い信頼関係のもと、契りを結んだ。
提灯持ち(ちょうちんもち)
意味:権力者などに取り入って持ち上げる人。
例文:提灯持ちの意見ばかりでは意味がない。
即かず離れず(つかずはなれず)
意味:近すぎず遠すぎず、程よい距離を保つ。
例文:仕事では即かず離れずの関係がちょうどいい。
月と鼈(つきとすっぽん)
意味:比べものにならないほどの差。
例文:両者の実力差は、月と鼈だ。
辻褄を合わす(つじつまをあわす)
意味:話の筋が通るように整える。
例文:無理に辻褄を合わそうとすると不自然になる。
潰しが利く(つぶしがきく)
意味:応用が利き、他の分野でも役立つ。
例文:この経験は、将来も潰しが利く。
面の皮が厚い(つらのかわがあつい)
意味:恥知らずで、図々しい。
例文:あそこまで言えるのは、面の皮が厚い。
鶴の一声(つるのひとこえ)
意味:権力者の一言で物事が決まること。
例文:最後は鶴の一声で方針が決まった。
手が回らない(てがまわらない)
意味:忙しくて対応できない。
例文:人手不足で、細かいところまで手が回らない。
てこでも動かない(てこでもうごかない)
意味:どんな手段でも考えを変えない。
例文:彼はてこでも動かない構えだ。
手塩に掛ける(てしおにかける)
意味:愛情を込めて大切に育てる。
例文:手塩に掛けて育てた部下だ。
出たとこ勝負(でたとこしょうぶ)
意味:成り行き任せで臨むこと。
例文:準備はしたが、最後は出たとこ勝負だ。
手玉に取る(てだまにとる)
意味:相手を思い通りに操る。
例文:彼女は相手を手玉に取るのが上手い。
出端を挫く(でばなをくじく)
意味:始めようとした矢先に勢いをくじく。
例文:企画の出端を挫かれて、やる気を失った。
手前味噌(てまえみそ)
意味:自分で自分を褒めること。
例文:手前味噌だが、よくやったと思う。
手を変え品を変え(てをかえしなをかえ)
意味:方法を次々に変えて試す。
例文:手を変え品を変え説得した。
手を拱く(てをこまぬく)
意味:何もせず、状況を見ている。
例文:問題を前にして手を拱いてはいられない。
手を煩わす(てをわずらわす)
意味:余計な手間をかけさせる。
例文:お手を煩わせて申し訳ありません。
伝家の宝刀(でんかのほうとう)
意味:ここぞという時の切り札。
例文:最後に伝家の宝刀を抜いた。
天秤に掛ける(てんびんにかける)
意味:二つを比べて判断する。
例文:条件を天秤に掛けて決めた。
頭角を現す(とうかくをあらわす)
意味:才能や実力が目立ち始める。
例文:若手の中で頭角を現してきた。
峠を越す(とうげをこす)
意味:一番苦しい時期を過ぎる。
例文:忙しさもようやく峠を越した。
登竜門(とうりゅうもん)
意味:成功への関門。
例文:この試験は業界の登竜門だ。
毒にも薬にもならない(どくにもくすりにもならない)
意味:良くも悪くも影響がない。
例文:その意見は毒にも薬にもならない。
どこ吹く風(どこふくかぜ)
意味:周囲の状況を気にしない様子。
例文:批判もどこ吹く風だ。
取って付けたよう(とってつけたよう)
意味:わざとらしく不自然。
例文:取って付けたような説明だった。
とどのつまり(とどのつまり)
意味:結局のところ。
例文:とどのつまり、準備不足だった。
土俵に上がる(どひょうにあがる)
意味:勝負や議論の場に立つ。
例文:本気でやるなら土俵に上がるべきだ。
飛ぶ鳥を落とす勢い(とぶとりをおとすいきおい)
意味:非常に勢いがある。
例文:彼は今、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
取り付く島もない(とりつくしまもない)
意味:話し合う余地がない。
例文:怒りが激しく、取り付く島もなかった。
鳶が鷹を生む(とんびがたかをうむ)
意味:平凡な親から優れた子が生まれる。
例文:鳶が鷹を生むとは、まさにこのことだ。
まとめ
慣用句は、会話や文章を飾るための特別な言葉ではありません。
自分の考えや状況を、相手に分かりやすく伝えるための実用的な道具です。
意味を理解し、使う場面を例文でイメージしておくだけで、
- 説明が短くなる
- 言い切りに自信が持てる
- 会話の流れがスムーズになる
といった変化を実感しやすくなります。
すべてを覚える必要はありません。
「これは使えそうだ」と思ったものを一つずつ、自分の言葉として取り入れていくことが大切です。
他の行の慣用句とあわせて読むことで、言葉の引き出しはさらに増えていきます。
必要な場面で、必要な一言が自然に出てくる状態を目指して、少しずつ使ってみてください。
▼ 慣用句を体系的に学びたい方へ
この慣用句シリーズは、語彙力を上げたい人向けに
意味と使い方を例文付きで整理しています。
全体像を知りたい方は、まとめページをご覧ください。


