仕事の場面で「状況」を的確に伝える表現集
仕事では、
「率直に言うと角が立つ」、
「正直に言うと重くなりすぎる」、
そんな場面が少なくありません。
そこで役立つのが慣用句です。
慣用句は、状況を何かに例えて伝える表現なので、
感情を抑えつつ、判断の迷い・立場の苦しさ・行き詰まりを共有できます。
本記事では、
仕事で使える慣用句を
系統別・意味・例文付きで紹介します。
判断が鈍る時|決断できない状況を伝える慣用句
判断が難しい場面では、
「迷っている」と直接言うより、比喩で表現する方が納得感が出ます。
使うときの注意点
迷いだけで終わらず、「次にどう動くか」を添えると前向きに聞こえます。
- 二の足を踏む
意味:ためらって前に進めない
例文:リスクを考えると、どうしても二の足を踏んでしまいます。 - 後ろ髪を引かれる
意味:未練が残り決断できない
例文:後ろ髪を引かれる思いはありますが、方向性は固めます。 - 煮え切らない
意味:態度や判断がはっきりしない
例文:現時点では判断が煮え切らない状況です。 - 踏ん切りがつかない
意味:決断する覚悟ができない
例文:条件面で踏ん切りがついていません。 - 決めあぐねる
意味:なかなか結論を出せない
例文:影響が大きく、判断を決めあぐねています。 - 腰が引ける
意味:消極的になる
例文:リスクを意識しすぎて腰が引けています。 - 岐路に立つ
意味:重要な選択を迫られている
例文:現在、事業の方向性について岐路に立っています。 - 足並みが乱れる
意味:方針や考えがそろわなくなる
例文:追加情報により、関係者の足並みが乱れています。 - 舵を切れない
意味:進む方向を決められない
例文:方向性は見えていますが、現状ではまだ舵を切れません。 - 出口が見えない
意味:解決の糸口が分からない
例文:条件が複雑で、現時点では出口が見えない状況です。
立場が苦しい時|板挟み・責任が重い場面
感情を前に出さず、
「置かれている状況」を説明するための慣用句です。
使うときの注意点
愚痴に聞こえないよう、事実ベースで使うのがポイントです。
- 板挟みになる
意味:相反する立場の間で苦しむ
例文:現場と上層部の間で板挟みになっています。 - 肩身が狭い
意味:居心地が悪い
例文:今回の件で、正直少し肩身が狭い状況です。 - 首が回らない
意味:余裕がなく対処できない
例文:人手不足で首が回らない状態です。 - 分が悪い
意味:条件や形勢が不利
例文:この条件では、こちらは分が悪いですね。 - 旗色が悪い
意味:状況が不利
例文:現状だと、この案は旗色が悪いです。 - 四面楚歌
意味:周囲に味方がいない状態
例文:調整が難航し、四面楚歌の状況です。 - 矢面に立つ
意味:批判や責任を一身に受ける
例文:今回は担当課が矢面に立つ形になります。 - 立つ瀬がない
意味:弁解の余地がない
例文:結果が出ず、立つ瀬がありません。 - 泥をかぶる
意味:他人の失敗の責任まで引き受ける
例文:今回はこちらで泥をかぶることになります。 - 首の皮一枚つながる
意味:ぎりぎりの状態で持ちこたえる
例文:現状は首の皮一枚つながっています。
水面下・調整系|表に出さず物事をまとめる
正式決定前の調整や、問題の火消しで使える表現です。
使うときの注意点
対外的な場では、言い換えも検討しましょう。
- 水面下で動く
意味:表に出さず進める
例文:詳細は水面下で調整しています。 - 根回しをする
意味:事前に関係者と調整する
例文:正式提案の前に根回ししておきます。 - 落としどころを探る
意味:妥協点を見つける
例文:双方の意見を踏まえ、落としどころを探っています。 - 話を丸める
意味:穏便にまとめる
例文:今回は話を丸める方向で進めます。 - 口を濁す
意味:はっきり言わない
例文:詳細については口を濁しました。 - 腹芸で進める
意味:本音を表に出さず進める
例文:この件は腹芸で進めざるを得ません。 - 顔を立てる
意味:相手の立場を尊重する
例文:相手の顔を立てた形で進めましょう。 - 手打ちにする
意味:争いに区切りをつける
例文:条件面では折り合いがつき、ここで手打ちにします。 - 火消しに回る
意味:問題拡大を防ぐため動く
例文:混乱を避けるため、こちらが火消しに回ります。 - 水面下で片を付ける
意味:表に出さず処理を終える
例文:大事になる前に、水面下で片を付けます。
交渉・駆け引き系|主導権・力関係を示す
直接的な言い方を避けつつ、
力関係や駆け引きを表現できます。
- 足元を見られる
意味:弱みにつけ込まれる
例文:譲りすぎると足元を見られます。 - 主導権を握る
意味:有利な立場に立つ
例文:初動で主導権を握りたいです。 - 一枚上手
意味:相手の方が交渉上手
例文:先方は一枚上手でした。 - 手の内を明かす
意味:考えをすべて出す
例文:この段階で手の内は明かせません。 - 出方を見る
意味:相手の行動を待つ
例文:まずは相手の出方を見ましょう。 - 揚げ足を取る
意味:小さなミスを責める
例文:揚げ足を取られないよう注意します。 - 一歩も引かない
意味:妥協しない
例文:この条件については一歩も引けません。 - 矛を収める
意味:争いをやめる
例文:ここで矛を収める判断も必要です。 - 駆け引きに出る
意味:戦略的に動く
例文:この局面では駆け引きに出ます。 - 攻めの姿勢に出る
意味:主導的・積極的な態度を取る
例文:今回は条件面で攻めの姿勢に出ます。
慣用句が豊富になると、言い回しに幅が出て状況説明がスムーズになりますが、
説明そのものの構成力や伝え方の組立てをさらに高めたい場合は、
👉 「説明が上手い人が無意識に使っている接続語」 も読んでおくと、表現力がぐっと深まります。
状況悪化・行き詰まり系|うまくいかない現状を共有する
問題があることを、
感情的にならずに伝えるための慣用句です。
- 暗礁に乗り上げる
意味:計画が行き詰まる
例文:予算面の問題で計画が暗礁に乗り上げています。 - 手詰まりになる
意味:これ以上打つ手がない
例文:現行制度では手詰まりです。 - 万策尽きる
意味:あらゆる手段を尽くす
例文:現状では万策尽きています。 - 八方塞がり
意味:解決策が見えない
例文:関係者が多く、八方塞がりです。 - 打つ手がない
意味:有効策がない
例文:現時点では打つ手がありません。 - 行き詰まる
意味:前に進めなくなる
例文:調整が行き詰まっています。 - 雲行きが怪しい
意味:状況が悪化しそう
例文:最近、雲行きが怪しいですね。 - 足踏み状態
意味:進展しない
例文:現在は足踏み状態が続いています。 - 袋小路に入る
意味:進む道がなくなる
例文:制度上の制約で議論が袋小路に入っています。 - 収拾がつかない
意味:混乱してまとめられない
例文:意見が錯綜し、収拾がつきません。
まとめ|慣用句は「状況説明」を助ける言葉
慣用句は、感情をぶつけるための言葉ではなく、
状況を整理し、相手に伝えるための道具です。
判断の迷い、立場の苦しさ、調整の難しさ、
そうした言いにくい状況を、
比喩を通して共有できるのが慣用句の強みです。
まずは「これなら使えそう」と思ったものを一つ選び、
会議や文章で意識して使ってみてください。


