建築基準適合判定資格者を受験するかどうか迷っている建築職公務員は多いはずです。
「一級建築士を持っているから十分では?」
「実務で本当に役立つのか?」
こう感じる方もいるかと思います。
ただ、この資格の本当の価値は合格そのものより、勉強する過程で建築基準法への理解が飛躍的に深まることにあります。
今回は建築基準法適合判定資格者を20代のうちに取得した私が、資格がどのように業務に結びつくのか、どのような変化があるのか、について解説します。
建築基準適合判定資格者の勉強で、法令集への理解が変わる
この資格の勉強を始めると、建築基準法令集の「見え方」が変わります。
- 条文を暗記するのではなく
- 実務で使う前提で読むようになる
一級建築士試験では、どうしても「点を取るための理解」になりがちです。
一方で建築基準適合判定資格者では、どの条文を根拠に適合・不適合を判断するかが問われます。
その結果として、
- 条文の位置関係(どこに根拠があるか)
- 施行令・告示とのつながり
- 例外規定の考え方(緩和の条件整理)
を、体系的に理解できるようになります。
図面から判断する力が、建築基準法の理解を一段深める
この資格の特徴は、図面から各種制限の適合を判定するところにあります。
試験勉強では、次のような審査視点を押さえることになります。
- 斜線制限の適合判定(図面から読み取る)
- 建蔽率・容積率の算定とチェック
- 防火区画の成立可否
- 内装制限の適用範囲
- 構造計算の審査
- 「設計する側」ではなく
- 「審査する側」の視点で、法令と図面が結びつく
一級建築士試験でも基礎は学びますが、ここまで「審査として使う」形で整理する機会は多くありません。
だからこそ、勉強を通じて建築基準法が“使える知識”に変わる感覚が出てきます。
各種制限の「緩和措置」を全体像で理解できるようになる
建築基準法を難しく感じる理由のひとつが、各種制限に付随する緩和措置の多さです。
建築基準適合判定資格者の勉強では、緩和を単発で覚えるのではなく、
- なぜ緩和が認められているのか
- 適用条件は何か
- 他の規定とぶつからないか
を、制度として整理する必要があります。
- 条文を「点」ではなく「線」で理解できる
- 例外の扱いで迷いにくくなる
この視点は、確認審査に限らず、建築基準法を扱うあらゆる業務で必要となります。
建築審査部門以外でも「知っている人」は重宝される
この資格で得られる知識は、建築審査部門だけのものではありません。
まちづくり、都市計画、営繕など、配属が変わっても「知っていて損がない」どころか、理解していることで重宝される側になります。
- まちづくり部門:制度の限界や通り道を理解した上で話ができる
- 営繕部門:設計委託や成果品チェックの目が一段上がる
- 説明・調整:条文根拠で説明できるため、納得感が出る
一級建築士を持っている人は多い。
でも、公務員で「建築確認審査を前提に」法令と図面を理解している人は少ない。
なぜ建築職公務員がこの資格を勉強する意味があるのか
公務員の建築職は、建築審査、まちづくり、営繕など役割が幅広いです。
建築確認審査以外の部署に配属となったとして、この資格を勉強することで、
- 建築基準法を「制度」として理解できる。
- 図面と条文を結びつけて考えられる。
- 判断と説明に根拠が持てる。
- 資格を取ること以上に、
- 「考え方が変わる」「仕事の見え方が変わる」ことが大きい。
- そしてその積み重ねが、仕事の自信につながります。
結論|建築基準適合判定資格者は建築職公務員の価値を高める
建築基準適合判定資格者は、持っているだけで評価されるタイプの資格ではありません。
しかし勉強を通じて、
- 法令集を自在に使える
- 図面から適否を判断できる
- 緩和措置を含めて制度全体を理解できる
この力を身につけた建築職は、重宝される存在になります。
この資格を取るために勉強して、建築職としての価値をあげませんか。

