一級建築士試験は、建設業界でも最難関クラスの資格です。
そのため、多くの人が「独学では厳しい」と感じ、予備校への入学を検討します。
しかし実際には、
予備校に通っていても合格できない人はかなり多いのが現実です。
高い授業料を払い、仕事と両立しながら通っているのに不合格。
そんな話を聞いて、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
私は20代のときに一級建築士試験を初受験で合格しました。
その経験から言えるのは、
予備校は「通えば受かる場所」ではない
ということです。
この記事では、
なぜ予備校に通っても落ちる人が多いのか
そして、予備校を上手に使うための考え方について、実体験をもとに解説します。
予備校に通っても合格できない人は、実際に多い
私が通っていた予備校でも、
最終的に合格できたのはクラスの半分以下でした。
真面目に講義に出席し、
課題もそれなりにこなしている。
それでも結果が出ない人は少なくありません。
これは、一級建築士試験が難しいから、という理由だけではありません。
多くの場合、
「予備校に通っていること」自体が安心材料になってしまうのです。
- お金を払った
- 講義に出ている
- 周りも同じことをしている
この状態で、「やるべきことをやっている気」になってしまう。
これが、予備校に通っても落ちる最大の原因だと感じています。
予備校に通うメリット
では、予備校は意味がないのかというと、そんなことはありません。
私自身、結果的に予備校に通った判断は正解だったと思っています。
ただし、それには理由があります。
100万円を払って、逃げ道を断った
私が通った予備校の授業料は、
学科で約70万円、製図で約30万円。合計100万円ほどでした。
正直、安い金額ではありません。
ですが、この金額を払ったことで、
「忙しいから」「今年は無理そうだから」という逃げ道が消えました。
もし独学だったら、
仕事が忙しくなったタイミングで、間違いなく勉強量は落ちていたと思います。
予備校の価値の一つは、
自分を追い込む環境をお金で買えることだと感じました。
理解度がその場で可視化される
予備校に通って一番良かったのは、
自分の理解度のズレに、その場で気づけることでした。
独学だと、「なんとなく分かったつもり」で進んでしまいます。
ですが講義では、講師が当然のように話を進めていく中で、
「あ、ここ全然分かっていない」
「この考え方が抜けていた」
と気づかされる場面が何度もありました。
これは、市販のテキストを読んでいるだけでは得られなかった感覚です。
他人との比較ができる環境
予備校では、講義後に小テストがあり、順位が掲示されていました。
他人と比べることを嫌う人もいますが、
一級建築士試験では自分の立ち位置を知ることが非常に重要です。
- 今の自分は合格圏なのか
- それともまだ足りていないのか
これが常に見える環境は、予備校ならではだと思います。
合格する人は、予備校を「勉強する場所」だと思っていない
予備校で合格する人と、そうでない人の違いははっきりしています。
合格する人の考え方
- 予備校は「復習・確認の場」
- 講義は答え合わせ
- 自分の理解不足を見つける時間
合格しない人の考え方
- 予備校は「教えてもらう場所」
- 講義を受けたことで満足
- 家での勉強が後回しになる
予備校の講義を初めて聞く内容として受け止めている限り、
知識は定着しません。
合格する人ほど、
講義の前に予習をして、分からない点を持った状態で臨んでいると感じました。
私が実際にやっていた、予備校の使い方
私が意識していたのは、次のような使い方です。
- 講義前にテキストを一度ざっと読む
(完璧に理解しようとはしない) - 分からない箇所、引っかかる部分に印をつける
- 講義中は「自分の穴探し」に集中する
- 講義後、その日のうちに軽く復習する
予備校は、新しいことを学ぶ場ではなく、
自分の理解が足りない部分を穴埋めする場だと考えていました。
小テストでは、常に1位を狙っていた
講義後の小テストでは、常に1位を狙っていました。
もちろん、予備校のテストで高得点を取っても、
本試験で点が取れなければ意味はありません。
ただ、小テストで結果が出ると、
- 自信がつく
- 勉強へのモチベーションが上がる
- 「このやり方でいい」という確信が持てる
こうした小さな成功体験が積み重なっていきます。
試験当日には、
「自分が解けないなら、他の人も解けないだろう」
と思えるくらいの余裕を持って臨めました。
予備校が向いている人・向いていない人
予備校は万能ではありません。
予備校が向いている人
- 自分に甘い自覚がある
- 環境に縛られた方が頑張れる
- 他人との比較で火がつく
予備校が向いていない人
- 完全に自己管理できる
- マイペースで進めたい
- 他人の存在が強いストレスになる
大切なのは、
「予備校に行くかどうか」ではなく、自分に合った戦い方を選ぶことです。
さいごに|「今年が最後」という覚悟は、行動に出る
「今年が最後のつもりで受ける」
この言葉自体は、よく聞くと思います。
でも大切なのは気持ちではなく、行動です。
- 仕事より講義を優先する
- 苦手科目から逃げない
- 模試の結果をごまかさない
こうした小さな選択を、コツコツと積み上げること。
それが「今年が最後」という覚悟だと思っています。
予備校は、その覚悟を形にするための道具の一つに過ぎません。
ですが、使い方次第では、合格への近道になるものだと思っています。


