会話の中で、
「言っている内容は間違っていないはずなのに、どこか弱い」
「もう少し的確に言えた気がする」
と感じたことはありませんか。
こうした違和感の正体は、知識不足ではなく、状況を一言で言い切る語彙が足りていないことがほとんどです。
慣用句は、判断・覚悟・評価・勢いといったニュアンスを、短い言葉でまとめて伝えられる“実用的な語彙”です。
この記事では、日常会話や仕事の場面で使いやすい慣用句を、
意味と使い方の例文付きで整理しています。
「知っている」だけで終わらせず、「使える言葉」を増やす意識で読み進めてみてください。
※本記事は、慣用句シリーズの中から【は行】の表現をまとめています。
▼ 慣用句を体系的に学びたい方へ
このページは、語彙力を上げたい人向けの「慣用句シリーズ」の一部です。
全体像を知りたい方は、以下のまとめページをご覧ください。
日常・仕事で使える慣用句【は行】
背水の陣(はいすいのじん)
意味:後がなく、全力で臨む覚悟を決めること。
例文:今回は背水の陣で挑むつもりだ。
場数を踏む(ばかずをふむ)
意味:経験を多く積むこと。
例文:場数を踏むことで、対応力が身についてきた。
秤に掛ける(はかりにかける)
意味:利害や条件を比べて判断する。
例文:複数案を秤に掛けて検討した。
箔が付く(はくがつく)
意味:評価や価値が高まる。
例文:受賞歴があることで箔が付いた。
拍車をかける(はくしゃをかける)
意味:勢いをさらに強める。
例文:成功体験が努力に拍車をかけた。
薄氷を踏む(はくひょうをふむ)
意味:非常に危うい状況で行動する。
例文:薄氷を踏む思いで交渉を進めた。
箸にも棒にも掛からない(はしにもぼうにもかからない)
意味:まったく見込みがない。
例文:その案は箸にも棒にも掛からない。
橋を渡す(はしをわたす)
意味:物事をうまく取り持つ。
例文:双方の間に立って橋を渡した。
破竹の勢い(はちくのいきおい)
意味:止められないほどの勢い。
例文:新規事業は破竹の勢いで拡大している。
発破を掛ける(はっぱをかける)
意味:強く励ましたり、促したりする。
例文:部下に発破を掛けて動かした。
八方塞がり(はっぽうふさがり)
意味:どの方向にも打開策がない。
例文:資金も人も足りず八方塞がりだ。
鼻持ちならない(はなもちならない)
意味:態度が傲慢で不快。
例文:あの言い方は鼻持ちならない。
鼻を折る(はなをおる)
意味:相手の自信をくじく。
例文:新人の鼻を折らない指導が大切だ。
歯に衣着せぬ(はにきぬきせぬ)
意味:遠慮せず率直に言う。
例文:歯に衣着せぬ意見を述べた。
幅を利かせる(はばをきかせる)
意味:権力や影響力を振るう。
例文:古参が職場で幅を利かせている。
腹が据わる(はらがすわる)
意味:覚悟が決まり動じない。
例文:大事な場面でも腹が据わっていた。
腹を探る(はらをさぐる)
意味:相手の本心を探る。
例文:雑談を交えて腹を探った。
反旗を翻す(はんきをひるがえす)
意味:これまで従っていた相手に反抗する。
例文:ついに反旗を翻した。
万事休す(ばんじきゅうす)
意味:すべて終わりで、打つ手がない。
例文:証拠を突きつけられ万事休すだ。
膝を交える(ひざをまじえる)
意味:じっくり話し合う。
例文:膝を交えて話す必要がある。
一癖も二癖もある(ひとくせもふたくせもある)
意味:扱いにくいが、ただ者ではない。
例文:一癖も二癖もある人物だ。
人のふんどしで相撲を取る(ひとのふんどしですもうをとる)
意味:他人の力を利用する。
例文:人のふんどしで相撲を取るやり方だ。
一肌脱ぐ(ひとはだぬぐ)
意味:進んで協力する。
例文:困っていると聞いて一肌脱いだ。
人目を憚る(ひとめをはばかる)
意味:世間の目を気にする。
例文:人目を憚って行動を控えた。
一役買う(ひとやくかう)
意味:役に立つ働きをする。
例文:調整役として一役買った。
火に油を注ぐ(ひにあぶらをそそぐ)
意味:事態をさらに悪化させる。
例文:不用意な発言が火に油を注いだ。
非の打ち所が無い(ひのうちどころがない)
意味:欠点がまったくない。
例文:非の打ち所が無い対応だった。
火の車(ひのくるま)
意味:金銭的に苦しい状態。
例文:経営は火の車だ。
火花を散らす(ひばなをちらす)
意味:激しく争う。
例文:両者は意見を巡って火花を散らした。
火蓋を切る(ひぶたをきる)
意味:戦いや競争を始める。
例文:新企画の火蓋が切られた。
百も承知(ひゃくもしょうち)
意味:十分に分かっている。
例文:リスクは百も承知だ。
氷山の一角(ひょうざんのいっかく)
意味:表に出ているのは一部にすぎない。
例文:問題は氷山の一角だ。
貧乏くじを引く(びんぼうくじをひく)
意味:損な役回りを引き受ける。
例文:また貧乏くじを引かされた。
風前の灯火(ふうぜんのともしび)
意味:今にも消えそうな状態。
例文:計画は風前の灯火だ。
蓋を開ける(ふたをあける)
意味:結果が明らかになる。
例文:蓋を開けてみれば予想外だった。
物議を醸す(ぶつぎをかもす)
意味:議論や批判を引き起こす。
例文:その発言は物議を醸した。
太いパイプ(ふといぱいぷ)
意味:強い人脈や関係。
例文:業界に太いパイプを持つ。
腑に落ちない(ふにおちない)
意味:納得できない。
例文:説明を聞いても腑に落ちない。
篩に掛ける(ふるいにかける)
意味:選別する。
例文:応募者を篩に掛けた。
片鱗を示す(へんりんをしめす)
意味:才能や実力の一部を見せる。
例文:実力の片鱗を示した。
傍若無人(ぼうじゃくぶじん)
意味:周囲を気にせず勝手に振る舞う。
例文:傍若無人な態度が目立つ。
抱腹絶倒(ほうふくぜっとう)
意味:腹を抱えるほど大笑いする。
例文:話が面白く抱腹絶倒だった。
頬が落ちる(ほおがおちる)
意味:非常においしい。
例文:頬が落ちるほどの味だ。
墓穴を掘る(ぼけつをほる)
意味:自分で自分を不利にする。
例文:余計な発言で墓穴を掘った。
矛先を向ける(ほこさきをむける)
意味:非難や攻撃の対象にする。
例文:責任者に矛先が向けられた。
骨が折れる(ほねがおれる)
意味:非常に苦労する。
例文:調整は骨が折れる作業だ。
骨身を削る(ほねみをけずる)
意味:身を削るほど努力する。
例文:骨身を削って支えた。
骨を埋める(ほねをうめる)
意味:一生その仕事に尽くす覚悟。
例文:この会社に骨を埋める覚悟だ。
法螺を吹く(ほらをふく)
意味:大げさな嘘を言う。
例文:また法螺を吹いている。
本腰を入れる(ほんごしをいれる)
意味:本気で取り組む。
例文:ここから本腰を入れる。
まとめ
「は行」の慣用句には、
覚悟・勢い・評価・人間関係を端的に表す言葉が多く含まれています。
これらを使いこなせるようになると、説明や意見表明に自然な重みが出てきます。
すべてを覚える必要はありません。
「これは使えそうだ」と感じた表現を一つずつ、自分の言葉として取り入れていくことが大切です。
慣用句シリーズを通して、
言いたいことを、迷わず言葉にできる状態を少しずつ作っていきましょう。
▼ 慣用句を体系的に学びたい方へ
この慣用句シリーズは、語彙力を上げたい人向けに
意味と使い方を例文付きで整理しています。
全体像を知りたい方は、まとめページをご覧ください。


