会議で若手に当事者意識を持ってもらう方法|意見が出る会議の設計術

説明力・伝え方

会議をしても、若手がなかなか意見を言ってくれないと感じることはありませんか。
メモは取っているし、うなずきもするのに、肝心の発言が出てこないまま時間だけが過ぎていきます。

毎回同じ人が話し、他の人は一時間座っているだけで終わってしまう。
「もっといろいろな意見がほしい」と思いながらも、結局いつも同じ人の発言だけで会議がまとまってしまいます。

しかし、これは若手のやる気の問題ではありません。
発言が生まれないのは、当事者意識が自然に芽生えるような会議の設計になっていないことが原因です。

この記事では、若手が当事者として会議に参加し、自分の言葉で発言するようになるための具体策を整理してお伝えします。


① 会議の説明の一端を担ってもらう

人は「お客様」の立場では本気になりにくいものです。会議にただ出席しているだけでは、自分ごととして考える意識は生まれません。

若手を“お客様”の立場から“会議の一員”へと戻すためには、当事者意識を持てる設計にすることが効果的です。その方法の一つが、会議の一部を担当として任せることです。

たとえば、説明の一部を担当してもらったり、資料の一部分を読み上げて解説してもらったりすると、その会議は自然と自分ごとになります。担当があるだけで、事前の準備や会議中の姿勢は確実に前向きに変わります。

大切なのは、「あなたはこの会議を動かす側の一人である」というメッセージを明確に伝えることです。説明する立場になれば、質問への対応も想定する必要があるため、他の発言にも自然と耳を傾けるようになります。


② どの立場からの意見が欲しいのかを明確にする

「何か意見はありますか」という問いかけでは、意見はなかなか出てきません。質問の幅が広すぎるため、何を期待されているのか分からないからです。

たとえば、

・若手職員の視点から見るとどう感じるか
・住民説明会を想定した場合、懸念点は何か
・現場対応をする立場であればどう思うか

このように、どの立場で考えてほしいのかを具体的に示すだけで、発言のハードルは大きく下がります。立場が与えられると、人は考える枠組みを持つことができるため、意見を言いやすくなります。


③ 資料は事前に送る(読み込み前提で設計する)

会議で初見の資料を配っても、意見はほとんど出ません。内容を理解するだけで精一杯になってしまうからです。

意見を求めるのであれば、資料は前日に送付し、「特にここを見ておいてほしい」という箇所を明示します。可能であれば、簡単な論点メモを添えるとさらに効果的です。

準備の時間を与えないまま意見を求めるのは、若手にとって負担が大きすぎます。そして、事前送付をするだけでなく、「事前に読んできている前提で進めます」と話しておくことも効果的です。

会議で意見を引き出すためには、相手が「考えやすい状態」をつくることが重要です。説明の組み立て方や、論点の整理方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
説明が上手くなるために、私が意識するようになったこと


④ 会議の目的とゴールを明確にする

意見が出ない最大の原因は、何のための会議なのかが分からないことです。

まずは目的を明示します。情報共有なのか、意見交換なのか、それとも方針決定なのかによって、求められる発言の内容はまったく異なります。

さらに重要なのがゴールの提示です。ゴールとは、会議終了時にどのような状態になっていればよいのかを示すものです。

たとえば、班としての方針が決定している状態、修正事項が明確になっている状態、次のアクションが整理されている状態などが考えられます。

会議の冒頭で「今日の目的は〇〇です。ゴールは△△が決まっている状態です」と宣言するだけで、会議の空気は引き締まり、発言に方向性が生まれます。


⑤ それでも出なければ、具体的に質問する

「誰か何かありますか」と問いかけても、ほとんど意見は出てこないでしょう。代わりに、答えやすい形に分解して質問します。

たとえば、

・この案で説明会を開いた場合、どのような質問が想定されますか。
・このスケジュールで現場対応は回せそうですか。
・法令上、懸念がある部分はありますか。

このように具体化することで、発言の心理的負担は大きく下がります。

さらに、YesかNoで答えられる問いや、二択で答えられる問いにすると、より発言しやすくなります。正解を求める質問は沈黙を生みますが、考えを求める質問は発言を引き出します。


若手が発言しない本当の理由

多くの場合、若手は次のように感じています。

・浅い意見だと思われたくない
・何を決める会議なのか分からない
・的外れなことを言うのが怖い

理解が十分でなく、役割が曖昧で、期待も見えていない状態では、沈黙が生まれるのは自然なことです。

ただし、会議の設計を変えていけば、発言は必ず増えていくでしょう。


まとめ

若手に当事者意識を持ってもらうためには、

・会議の一部を担ってもらう
・どの立場の意見が欲しいかを明確にする
・資料を事前に送る
・目的とゴールを明示する
・具体的な質問をする

これらを意識するだけで、会議の質は変わっていきます。

会議は参加させる場ではなく、関与させる場です。次の会議では、今回ご紹介した中から可能なものを取り入れてみてください。

会議で発言を引き出す力は、日常の説明力とも深く関わっています。説明がうまくいかないと感じている方は、こちらの記事も参考にしてみてください。


説明力を向上させたい人へ|仕事の伝える力を身につけるための記事まとめ
説明が苦手で仕事に自信が持てない人へ。電話対応、伝わるメール、会議の進行、語彙力や接続語まで、実体験をもとに改善方法をまとめました。少しずつ伝える力を身につけたい方へ。
タイトルとURLをコピーしました