住民説明会って、正直しんどいですよね。
特に神経を使うのは、制度の説明よりも「質疑応答」じゃないでしょうか。
どれだけ事前に資料を作り込んでも、
どれだけ分かりやすく説明しても、
最後の質疑応答で、空気が一気に重くなることがあります。
「それ、本当に意味あるんですか?」
「結局、もう決まってるんですよね?」
「誰が責任取るんですか?」
内容としてはもっともな質問でも、
答え方を一つ間違えると、
一気に対立構造になってしまう。
私自身、これまで何度も住民説明会を経験してきました。
正論を言っているはずなのに、
言い回しがきつくなってしまって場が荒れる。
逆に、逃げたような言い方をして、
「ちゃんと答えてください」と詰められる。
このバランスが本当に難しいですよね。
この記事では、
住民説明会の質疑応答で実際によく出る
「答えづらい質問」に対して、
角を立てず、逃げず、責任も取りすぎない
現場向けフレーズを、例文付きでまとめました。
配属1年目の人はもちろん、
何度も説明会をやっている人ほど、
「これ、使えるな」と思ってもらえる内容にしています。
なぜ住民説明会の質疑応答は難しいのか
住民説明会で一番消耗するのは、質疑応答の時間です。
理由は大きく3つあります。
1つ目は、その場で即答できない質問が多いこと。
法令・上位計画・予算・庁内調整。
いろいろ絡み合っていて、
その場でYES・NOが判断できないものがほとんどです。
2つ目は、感情が乗った質問が来ること。
「不安」「不満」「不信感」が混ざった状態で投げられる質問は、
内容以上に、受け止め方が問われます。
3つ目は、個人の意見を言えないこと。
説明しているのは、あくまで「市としての見解」。
自分の本音をそのまま言える場面はありません。
この3つが重なるので、
質疑応答ではどうしても神経を使います。
だからこそ、
フレーズの引き出しを事前に持っておくことが、
精神的にも、実務的にも、有効だと考えています。
住民説明会でよく出る「答えづらい質問」対応フレーズ
「この計画意味あるの?」
想定質問
「この計画、正直言って意味あるんですか?やっても変わらないんじゃないですか?」
使えるフレーズ
「ご意見ありがとうございます。
確かに、すぐに目に見える変化が出る内容ではありません。
ただ、将来に向けたルールづくりや方向性を整理しておくことで、
無秩序な開発を防ぐ効果はあります。」
「事業者のためなんじゃない?」
想定質問
「これ、住民のためって言うけど、事業者のためじゃないんですか?」
使えるフレーズ
「ご懸念の点はもっともだと思います。
この計画は特定の事業者のために作っているものではなく、
長期的に見て地域全体の住環境を守ることを目的としています。」
「前は言ってなかったよね?」
想定質問
「前の説明会ではそんな話してなかったですよね?」
使えるフレーズ
「説明が十分でなかった点については申し訳ありません。
前回の時点では検討段階だった内容で、
その後の協議や調整を踏まえて今回の案になっています。」
「なんでここなの?」
想定質問
「どうして、よりによってここなんですか?」
使えるフレーズ
「いくつか候補地は検討しています。
その中で、交通条件や周辺の土地利用状況などを総合的に見て、
現時点ではこの場所が最も現実的だと判断しています。」
「反対が多いならやめたら?」
想定質問
「反対が多いなら、もうこの計画やめたらいいじゃないですか。」
使えるフレーズ
「ご意見としては真摯に受け止めています。
一方で、この計画は法令や上位計画との関係もあり、
現時点で完全に白紙に戻すことは難しい状況です。」
「あなたはどう思っているの?」
想定質問
「正直に言って、あなた自身はどう思ってるんですか?」
使えるフレーズ
「個人的な意見というより、
市として決定した方針に基づいて説明をしています。
その上で、今日いただいたご意見は今後の検討材料として共有します。」
「問題が起きたら誰が責任取るの?」
想定質問
「これで問題が起きたら、誰が責任取るんですか?」
使えるフレーズ
「この事業は、市としての判断で進めているものです。
最終的な責任は組織として負う形になります。」
「計画通り進むの?」
想定質問
「この計画通りに本当に進む保証あるんですか?」
使えるフレーズ
「将来の社会状況によって、
一部見直しが必要になる可能性はあります。
ただ、現時点での前提条件のもとでは、
この内容が最も現実的だと考えています。」
「他の地区と不公平じゃないですか?」
想定質問
「なんでうちの地区だけ規制が厳しいんですか?」
使えるフレーズ
「地区ごとの土地利用状況や課題が異なるため、
一律の規制にはしていません。
それぞれの地域特性に応じたルールを設定しています。」
「結局、もう決まってるんですよね?」
想定質問
「どうせもう決まってるんでしょ?」
使えるフレーズ
「現時点では最終決定ではありません。
今日のようなご意見も踏まえた上で、
内容の修正や見直しを行う可能性はあります。」
「住民の負担が増えるんじゃない?」
想定質問
「それだと、住民の負担が増えるだけじゃないですか?」
使えるフレーズ
「ご懸念はもっともだと思います。
ご負担が増える点については、私たちとしても課題だと認識しています。
その上で、現時点ではこの内容が最も現実的だと判断しています。」
「住民の意見を反映しないの?」
想定質問
「なんで住民の意見をもっと反映しないんですか?」
使えるフレーズ
「いただいたご意見はすべて記録しています。
ただ、限られた予算や制度の制約もあり、
すべてをそのまま反映できるわけではない点はご理解ください。」
「なんでそんなに時間がかかるんですか?」
想定質問
「決めるのに、なんでこんなに時間がかかるんですか?
もっと早くできたんじゃないですか?」
使えるフレーズ
「お待たせしている点については申し訳ありません。
関係機関との調整や、法令上必要な手続きがあり、
一定の期間を要する内容になっています。
できるだけ早く進められるよう、内部でも調整しています。」
「ちゃんと検討してるんですか?」
想定質問
「もう結論ありきで、形だけ説明会やってるんじゃないですか?」
使えるフレーズ
「そう受け取られてしまったのであれば、申し訳ありません。
現時点では方向性の案をお示ししている段階で、
今日のようなご意見も踏まえて、
内容の修正や見直しを行う可能性はあります。」
「なぜ今なの?」
想定質問
「なんで今このタイミングでやるんですか?」
使えるフレーズ
「以前から課題として認識していた内容ではあります。
予算や関係機関との調整が整ったのが、
結果的にこのタイミングになっています。」
「説明が分かりにくい」
想定質問
「正直、説明が分かりにくいです。
もっと簡単に言えないんですか?」
使えるフレーズ
「分かりづらい説明になってしまい、申し訳ありません。
専門用語については、できるだけ噛み砕いて説明するようにします。」
「前例があるんですか?」
想定質問
「他の自治体でも、同じようなことやってるんですか?」
使えるフレーズ
「他の自治体の事例も参考にしながら検討しています。
ただ、地域の状況や課題が異なるため、
そのまま同じ形を採用しているわけではありません。
この地域の実情に合わせた形で整理しています。」
フレーズを使うときの3つのコツ
① まず一回、相手の感情を受け止める
「ご懸念はもっともです」「ご意見ありがとうございます」
この一言があるだけで、空気がかなり和らぎます。
② 「制度」「組織」「将来」のどれかに寄せる
個人の意見ではなく、
仕組みの話に寄せると角が立ちにくいです。
③ 逃げすぎない
「検討します」だけで終わると、
逆に不信感を与えますので、
言えない理由までセットで伝えるのがコツです。
まとめ
住民説明会の質疑応答は、
「正しさ」よりも「言い方」で決まります。
私自身、何度説明会をやっても、
毎回「この言い方でよかったかな…」と反省します。
でも、フレーズの引き出しを持っておくだけで、
メンタルの消耗は本当に減ります。
配属1年目の人ほど、
こういう言い回し集を先に持っておくと、
現場での安心感がまったく違います。
そのための一助になれば嬉しいです。


